2025年9月号
2050年、さらに安心してくらせる「東京」を目指して

東京都は、これからの東京をもっとすてきなまちにしていくために「2050東京戦略」を発表しました。だれもが将来の夢をかなえ、一人ひとりがかがやけるまち。東京が持つ技術や力を活かし、さらに成長できるまち。未来まで安全・安心にくらし続けられる強いまち。このように、「2050年代にはこんな東京になっているといいな」という意見をたくさん聞きながら、どんな東京ならみなさんが幸せに過ごせるかを考えてつくられました。その実現に向けて、2035年までに取り組んでいく内容をまとめたものが「2050東京戦略」です。
「世界で一番災害に強いまち」を目指して
「2050東京戦略」には、東京都を「世界で一番災害に強いまち」にしていくための取り組みもあります。
東京でも、いつどこで起きるかわからない、大雨による洪水や地震などの災害が心配されています。だからこそ、被害を防いだり、小さくとどめたりするため、安心してくらせるまちにしていくことがとても大切です。
今回は「2050東京戦略」から、東京を災害に強いまちにしていくための「これまで」と「これから」の取り組みを紹介します。
◆2050東京戦略 https://www.seisakukikaku.metro.tokyo.lg.jp/basic-plan/2050-tokyo
「世界で一番災害に強いまち」へ変わりつつある東京
災害に強いまちにしていくため、これまで東京都ではさまざまな取り組みを進めてきました。まずは、洪水に強いまちにするための取り組みについて紹介します。
ここでクイズです!

正解は、「川の水をためる池がある」ことです。
大雨が降ると、川の水が一気に増えて洪水が起きることがあります。洪水対策には川の幅を広げるのが一番ですが、川沿いにビルや住宅がたくさんある場合は、整備に長い時間がかかってしまいます。そこで、川の水の一部をためる「調節池」をつくり、あふれないようにすることで、家や道路に水が流れこむのを防いでいるのです。2019年の台風19号の時には、道路(環状七号線)の地下につくった調節池に、なんと25メートルプール約1600杯分の川の水がたまりました。
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(提供:東京都建設局)

(提供:東京都建設局)
このような調節池の整備のほか、川の幅を広げる工事などの取り組みを進めてきた結果、東京での洪水被害は昔に比べ大きく減りました。1966年の台風4号では約42000棟の家が水につかってしまいましたが、それと同じくらいの強さだった2017年の台風21号の時は、35棟まで減りました。
次に、地震に強いまちにするための取り組みを見ていきましょう。
東京都は、地震でたおれたり、こわれたりしてしまう可能性がある住宅やマンションなどを対象に、建物を強くするための支援をしています。たとえば、このマンションは、人が住んだまま建物を地震に強くするために、二つの工事を行いました。

このように、建物の状況に合わせて地震への対策をていねいに進めてきた結果、地震に強い住宅の割合が76.3%(2006年3月時点)から92.0%(2020年3月時点)になりました!
また、古い木造住宅が多い地域では、道路の幅がせまいと、火災が起きた時に消防車の到着が遅れ、火が燃え広がってしまうことがあります。そのため、道路を広くすることで、消防車が通れるようにしたり、燃え広がるのをさえぎったりしています。さらに、燃えやすい木造住宅を火に強いものへ建てかえるための支援をするなど、「燃えない」まちづくりをおこなっています。

再びクイズです!

正解は、「電柱がない」ことです。
まちから電柱がなくなると、すっきりとしたきれいな街並みになるだけでなく、歩きやすい道路になります。また、地震などにより電柱がたおれて道路をふさぐようなことがなくなり、救急車や消防車がスムーズに通ることができる道路になります。電柱をなくすことを「無電柱化」と呼び、防災や安全、景観の面からも、とても大切な取り組みの一つです。現在、都心部を囲むように通っている大きな道路である環状七号線の内側エリアなどで無電柱化を進めています。
こうした対策が進んでいるおかげで、大きな地震が発生したときの被害予想も大幅に下がっています。たとえば、「首都直下地震」が起きたときに予想される死者数は、2012年には9641人でしたが、2022年には6148人まで少なくなりました。被害を受けることが予想される建物の数も、2012年には約30万棟でしたが、2022年には約19万棟に減りました。


さまざまな取り組みのおかげで被害の規模が小さくなってきていることがわかりますね。
私たちの身近にせまる災害のリスク
それでは、これからの東京都には、どのような災害リスクがあるのでしょう。
地球温暖化の影響で気候変動がよりいっそう進み、大雨の回数は約50年前に比べて1.5倍以上にも増えています。日中の気温が体温より高くなることも多くなり、それによって、これまでには考えられないような量の雨が一度に降り、川が増水したり道路や山がくずれたりする災害の危険も高まっています。
また、現在、東京では「首都直下地震」と「南海トラフ地震」の2つの大きな地震が心配されています。地震は火災や津波などの別の災害を引き起こすこともあります。いつ起こるかわからないからこそ、災害に強いまちづくりをさらに進めていく必要があるのです。

2050年代に向け、さらに強い東京へ
こうした災害が発生した時にみなさんの命や生活を守り、みなさんがおとなになるずっと先の東京でも安心してくらせるように、東京都では「2050東京戦略」で、対策を進めていきます。
たとえば、より多くのマンションの建物を強くする工事や、島しょ地域の無電柱化を進めるなど、これまでの取り組みをさらに広げたり、深めたりしています。
ほかにも、火山の噴火に備えたり、災害時にも安定して電力や通信が使えるようにしたりと、さまざまなことに取り組んでいます。
ぜひ覚えていてほしいのは、災害が起きた時、みなさんの安全を守るためには、まちを強くするほかにも、みなさんそれぞれの行動が大切だということです。自分と周りを守るために、家や学校などでもできる防災対策を身に付けていってくださいね。ぜひ広報東京都こども版の過去の記事や防災ノートなども読んで、家族や友達とも話し合ってみてください。
ほかにも「2050東京戦略」には、こどものみなさんが夢に向かって全力でチャレンジできる社会や、こどもの意見を大切にする社会を目指すための取り組みも書かれています。おうちの人と「2050東京戦略」を見て、未来の東京がどんなまちになっていてほしいか、どんな東京でくらしていきたいか、考えてみるのもいいかもしれませんね。
◆防災ノート(小学生) https://www.anzenedu.metro.tokyo.lg.jp/shogaku/

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