2023年9月号
防災館で体験!もしもの時に役立つ行動力を
東京都には、楽しみながら防災体験を学べる「東京消防庁都民防災教育センター」(防災館)が、「池袋防災館」、「立川防災館」、「本所防災館」の3カ所あります。今回は東京都立川市にある立川防災館をご紹介。 立川防災館には、地震や消火などを体験できる「体験コーナー」が七つあるほか、クイズなどで災害についての知識を深めるミニコーナーもたくさんあり、さまざまな災害について、ゲームのように楽しみながら体験し、学ぶことができます。
「もしも」に備え、災害時に役立つ行動力を身に付ける
1階には、防災に関する映画を上映する「防災ミニシアター」、実際の地震がどれだけ揺れるのかを体験できる「地震体験室」、建物の中で火事に遭ったとき、煙を吸わないように避難する方法を学ぶ「煙体験室」の体験コーナーのほか、さまざまなクイズに答える「サバイバルクイズ」などのミニコーナーがあります。
2階には、正しい応急手当を学ぶ「応急救護訓練室」、消火器の正しい使い方を体験する「消火コーナー」、震災現場を再現した空間で建物の下敷きになった人を救出する「救出救助コーナー」、バーチャルリアリティを活用して、地震、火災、風水害を疑似体験する「VR防災体験コーナー」のほか、災害 にあったときに119番通報する方法を学ぶ「通報訓練コーナー」、家の中でどんな危険があるのかを学ぶ「日常生活事故防止コーナー」などのミニコーナーがあります。
避難の約束「おかしも」を守ろう
「地震体験室」は、小さなリビングルームで大地震が起きたらどうなるのかを体験できます。立川防災館の課長代理、鈴木実さんは「実際の地震の揺れを再現しています。揺れが始まったら、落下物から身を守るためにテーブルの下に入り、テーブルの脚をしっかりつかんでください」と説明してくれました。
震度6弱、震度6強、震度7(震度7は中学生以上が対象です)を実際に体験してみると、とても立っていられないほど。鈴木さんは「揺れが収まったら、落ち着いて火の元を確認、電気のブレーカーを落とし、避難できる出口を確保するために、ドアを開いてください」と地震後の行動について教えてくれました。
「煙体験室」では、煙が充満するとなかなか先が見えません。煙を直接吸わないよう、頭を下げて姿勢を低くして狭い通路を通ります。鈴木さんは「学校などで、みんなで避難するときは、『おさない』『かけない』『しゃべらない』『戻らない』の4つの約束を守ってください」と注意しています。
消火器体験やVRで災害をリアルに実感
「消火コーナー」では、消火薬剤のかわりに水が入った消火器を使い、どのように消火するのかを学びます。「火を見つけたらまず、大きな声で『火事だ!』と周りに知らせてください。そして消火器のピンを引き抜き、次に消火薬剤を放出するホースをしっかり持ちます」と立川防災館の課長代理、小林辰雄さんが説明します。
実際に消火器を持ってみると、ずっしりとした重みを感じます。スタートするとスクリーンに燃え上がる炎が映し出されます。「狙うのは、炎の上の方ではなく、火元部分。ほうきで掃くイメージで消火しましょう」と小林さんは教えてくれました。
「VR防災体験コーナー」では、「地震」「火災」と「風水害」を疑似体験できます。このコーナーでは、バーチャルリアリティ映像が見られる大きなめがねを頭からすっぽりとかぶります。映像だけでも臨場感がありますが、映像にあわせて座席が動いたり、風が吹いたりします。リアルな体験ができる映画館の「4DX」と同じような仕組みです。「風水害」では、あっという間に道路が水でおおわれていく中を車で走る疑似体験ができます。水はこんなにも恐ろしいのかと、実際に災害を体験したかのような感じです。
何回訪ねても楽しくて、災害についての理解を深めることができる「防災館」。いつ起きても適切に対処できるように、災害を“自分ごと化”しに家族や友達を誘って出かけてみては?
※「地震体験室」は年齢制限3歳以上、「VR防災体験」は小学2年生以上で身長100センチ以上、「消火体験」は小学3年生以上、「応急救護体験」は小学4年生以上、「救出救助体験」は中学生以上の制限がありますが、「防災ミニシアター」と「煙体験」には制限はありません。
東京消防庁の防災を学べる施設
▶立川防災館(電話042-521-1119)
交通:立川駅北口1番乗り場でバスに乗り、「立川消防署」下車すぐのところ。
入場料:無料
開館時間:午前9時〜午後5時
休館日:木曜日、第3金曜日
▶池袋防災館(電話03-3590-6565)
交通:池袋駅から徒歩5分
入場料:無料
開館時間:午前9時〜午後5時(毎週金曜日は午後9時まで)
休館日:第1・3火曜日、第3火曜日の翌日
▶本所防災館(電話03-3621-0119)
交通:錦糸町駅から徒歩10分
入場料:無料
開館時間:午前9時〜午後5時
休館日:水曜日、第3木曜日
❖ほかにこんな施設もあります
▶消防博物館(東京消防庁消防防災資料センター)(電話03-3353-9119)
江戸から現代までの消防の歴史に触れながら防火・防災を学べる施設です。
交通:四谷三丁目駅2番出口
入場料:無料
開館時間:午前9時30分〜午後5時
休館日:月曜日
各館とも休館日が国民の祝日に当たる場合は、その直後の平日が休館日となります。 年末年始は各館ともに12月29日から1月3日までが休館日。