2026年2月号
YouTubeクリエイター・シルクロードさん(Fischer’s-フィッシャーズ-) スペシャルインタビュー「夢中になって取り組めば、すべて自分の力になる!」
みなさんには、「将来の夢」や「なりたい職業」はありますか。小学生が将来なりたい職業のランキングでは、動画などを作成してインターネットに投稿するネット配信者が人気でした。では、実際にその仕事についている人たちは、どんな想いで仕事に取り組んでいるのでしょうか。今回は、YouTubeの人気動画クリエイター「Fischer’s-フィッシャーズ-」のリーダーであるシルクロードさんにお話を聞きました。
真冬の川に飛び込んで開いた動画クリエイターへの扉
これまでに4200本以上の動画を公開し、合計再生回数は210億回以上!YouTubeでは903万人(2026年1月27日現在)ものチャンネル登録者数がいる「Fischer’s-フィッシャーズ-」。地元・葛飾区の観光大使をつとめ、YouTube以外にもテレビや音楽、映画、CMなどいろいろな場面で活躍している、6人組の大人気動画クリエイターです。リーダーのシルクロードさんは「危険だったり行き過ぎたりしない表現で『興味深い、面白い、楽しい』といった喜びをみなさんに届け、きちんとダメなものはダメと伝えるのが動画クリエイターの役割だと思っています。自分たちが楽しいと思うことを続けてきたので、一見楽しそうでキラキラした職業に見えるかもしれませんが、決してそれだけではなくて、見えない努力を地道に続けてきたから今があるのだと思っています」とふり返ります。

グループ結成のきっかけは、中学卒業を目前にしたある日、仲間たちといっしょに真冬の川に飛びこみ、その様子を投稿したこと。「高校生のときは、部活動や勉強でいそがしい日々でしたが、YouTubeのことは毎日考えていました。何時に動画を投稿したら多くの人に見てもらえるかとか、いろんな動画を見てデータをノートに取り、YouTubeそのものについて勉強していました」
本格的にこの道で活動していくことを決めたのは高校卒業のころ。ノートに書きためた資料を見せながら、いっしょに活動していこうとメンバーを説得したといいます。「当時、アメリカで流行したものが2,3年後に日本でも流行することが多かったんです。それに当てはめて考えると、YouTubeはきっとこれからどんどん注目されるようになる。また、グループで活動している動画クリエイターが少ないこと、撮影や編集に必要な機材の費用はみんなで出し合った方が安くなること、一人よりもメンバーといっしょにいた方が楽しいこと、そういったことをプレゼンした気がしますね」
朝起きると登録者数が30万人増!再生回数は世界第9位に
広い意味での『遊び』を作品にし続けてきた、というシルクロードさん。「これは流れに乗ったぞ!」と強く実感したタイミングが2回あるといいます。
一つ目の波は2014年。当時大流行していたアニメ映画の歌を口パクした投稿が大きな注目を集めました。「主題歌」ではなくあえて映画に出てくる歌を選び、いくつかのパターンに分けて撮った作品です。当時のぼくたちからしたらチャンネル登録者数が数千人増えることだって大変なことだったのに、朝起きたら30万人も増えていたんです。これは『つかんだな』と思いましたね」
そこから、他の動画クリエイターとコラボするようになったり、さらに多くの動画を投稿していったりと、より多くの人に見てもらうためにあらゆる工夫をこらした結果、チャンネル登録者数が100万、200万人とみるみる増加!2019年には、YouTubeクリエイターの世界ランキングで「最多視聴回数クリエイター」の第9位にランクインしました。
「ある日、YouTubeの公式動画が流れてきたので、ボーっと見ていたんですよ。10位がたしかブラジルの方で、『すごいなあ。自分たちもいつかこんなふうに取り上げてもらえたらなあ』と思ったすぐあと、9位に Fischer’s-フィッシャーズ- の名前が出てきて。『えっ!ぼくたちって世界で9位なの?!』と鳥はだが立ちましたね。努力が実った瞬間でした」

世界での総再生数が19億回を記録。しかも、当時は「ショート動画」がなかったため、毎日長い動画を投稿していました。「確かにがんばってはいたけど、1か月に数億回見られないと達成できない数字なわけですよ。ぼくたちの知らないところで世界中のたくさんの方が見てくれました。うれしい反面、おそろしいとも思いました」と語ります。
ニンジン、忍者、画家、スポーツマン、そして社長!
「落ち着きがなく、だまってじっと座っていられない。いわゆるチョロチョロするタイプで、常にどこかに行きたい、遊びに行きたいとうったえるような、バツグンに行動力があるこどもでしたね(笑)」と小学生時代をふり返るシルクロードさん。机に向かっていなければいけない時間も、イスに座ったまま遊んでいたそう。「自分の好きなもの、例えばカードならオリジナルのカードを作ってみたり、一つのテーマから関連するアイデアや情報をどんどん広げていく『マインドマップ』をひたすら書きまくったりしていた記憶がありますね」と笑う。その遊び心は友だちづきあいでも大いに活かされ、「自分はおにごっこがしたいけれど友だちはドッジボールがしたい。そうやって意見が分かれた時は、『おにごっこしながらドッジボールしちゃおうぜ!』とオリジナルの遊びを生み出したりしていました」。そのエンターテイナーぶりに「近所のお母さんたちからは『将来は絶対に人前に出る仕事につくだろう』と言われていました」。
「こどものころからなりたいものはいっぱいありました。最初の夢はニンジンって書いていました(笑) きっとその時、自分が好きなものを書いたんでしょう」と笑います。その夢は、忍者や画家、プロスポーツ選手、お笑い芸人、そして社長…と、どんどんと変化していったそうです。「その時その時に好きになったもの、やりたいと思ったことを『夢』ととらえ、それに向かって熱心に取り組んでみる。夢中になって取り組めるものがあることは大切です。それに、夢は必ずしもかなわなくたって良いし、変わっても全く問題ない。夢が変わることは負けではないですから」と語ります。

現在、小さなお子さんがいるシルクロードさん。「自分で遊びを思いつけるようになってほしいので、本人がやりたいことは何でもやらせてみようと思っています」と語ります。「自分がどんなにつかれていても、ちょっとでもいいからこどもと公園に行ってみるとか。今日もそうだったのですが、公園で一通り遊んでからこの場に来ました」とほほえみました。「遊びのレパートリーが増えていくことが、いずれ何かを考える時に役立ってくれれば。苦手に感じてもやってみる。みんながやっているから自分もやってみよう、それで分かることもけっこうあるんですよ」と力説してくれました。
「夢は一つとは限らない。すべてが自分の経験になるよ」

「ぼくたちはメンバーといっしょに大きくなってきた。一人で日本一になるのではなく、メンバーの個性を持ち寄って、足し算よりかけ算みたいに大きくなった。それぞれの個性が、自分一人では予想のつかないようなことをもたらすこともあり、大変なことも楽しいこともメンバーがいて体験できた。それに今は、ファンという仲間もできました」と仲間の大切さを語ります。
さまざまな冒険やチャレンジをYouTubeをはじめとした動画配信の中で見せているシルクロードさん。これからもメンバーといっしょにさまざまな挑戦をしていくつもりだそうです。「まだまだ自分の行ったことのない世界があります。それを自分の目で確かめるための冒険に出かけて、現地の温度感をみなさんへ伝えたいです。動画配信の世界も、この先どうなるか分からない。進むべき道やレールがないので、それならぼくたちが先頭を切って、ぼくたちにしかできない道をつくります。いずれは宇宙か海底かに行ってみたいですね」
💡プロフィール 「Fischer’s-フィッシャーズ-」
メンバーそれぞれの個性が光る思い出系ネットパフォーマンス集団。バラエティ豊かなメンバーがそろった時のかけ合いがばつぐん。中学の思い出として動画投稿をスタートしたのが始まりで、今では多くのファンを持つチャンネルに成長した。コメディ、チャレンジなど、とりあえずテーマを決めてカメラを回し、あとはアドリブで動画を作り上げていくという、ライブ感と息ピッタリなメンバーの関係性が見どころなチャンネル。現在のメンバーは、シルクロード、ンダホ、マサイ、モトキ、ダーマ、ザカオの6人。
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